当院ではPCOSを専門とした独自の治療法を提案させて頂きます。

当院では多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を専門とした独自の治療法を提案させて頂きます。
PCOSの方にはPCOS専門の治療を受けていただきたい。
その為には、まずPCOSが何かを知る必要があります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を知る
はじめに-PCOSに対する誤解-

不妊治療をしている中で、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で悩まれている患者様は本当に多いと思います。
悲しい事ですが、こんなことを言われたと言って受診される患者様がおられます。
「PCOSで卵子が悪くなる」「妊娠の可能性が低い」…
まずはじめに言っておきますが、これらは大きな間違いです!
私達と一緒に、PCOSの正しい知識を学んでいきましょう。

PCOSを知るポイント

疾患を知る時はまずイメージが大事です。まずは簡単に理解し、細かくみていきます。

  • ・月経が不順である。
  • ・婦人科での超音波検査で「卵巣の袋が多い」と言われた。
  • ・ホルモン検査で"異常"だと言われた。
  • ・AMHの数値が「とても高い」と言われた。
これらのどれかを指摘されたことのある方は、ここからの文章を何回も何回も繰り返し読んでみて下さい。

写真01
多嚢胞性卵巣症候群の診断基準※日本産科婦人科学会 生殖内分泌委員会2007

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断基準は以下の3つです。

  • 月経異常
  • 多嚢胞性卵巣
  • 血中男性ホルモン高値 または LH基礎値高値かつ FSH基礎値正常
注1) I~IIIの全てを満たす場合を多嚢胞性卵巣症候群とする
注2) 月経異常は無月経、稀発月経、無排卵周期症のいずれかとする
注3) 多嚢胞性卵巣は、超音波断層検査で両側卵巣に多数の小卵胞がみられ、少なくとも一方の卵巣で2~9mmの小卵胞が10個以上存在するものとする
注4) 内分泌検査は、排卵誘発薬や女性ホルモン薬を投与していない時期に.1cm以上の卵胞が存在しないことを確認のうえで行う。また月経または消退出血から10日目までの時期は高LHの検出率が低い事に留意する
注5) 男性ホルモン高値は、テストステロン、遊離テストステロンまたはアンドロステンジオンのいずれかを用い、各測定系の正常範囲上限を超えるものとする
注6) LH高値の判定は、スパック―Sによる測定ではLH≧ 7mIU/ml(正常女性の平均値+1×標準偏差)かつLH≧ FSHとし、肥満例(BMI≧ 25)では LH≧ FSHのみでも可とする。
他の測定系による測定値は、スパック―Sとの相違を考慮して判定する
注7) クッシング症候群、副腎酵素異常,体重減少性無月経の回復期など、本症候群と類似の病態を示すものを除外する

これを自分だけで理解するのは大変ですよね。わからないところ、不安なところは主治医にお話を聞かれてみてはいかがでしょうか。
もちろん当院ではPCOS治療開始前に徹底してご自身の体を説明し理解してから治療を始めます。

PCOSが起こる原因って?

受精卵となるには、卵子が成熟する必要があります。卵子が成熟しないことにより「うまく排卵できない」「うまく受精できない」などの障害が起こります。
そのため卵巣の中に卵子が留まり「多嚢胞」という状態になってしまうのです。これがPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の正体です。

ポイント
「PCOSを治療する」ではなく、「排卵障害と成熟障害を治療する」と理解する
PCOSの治療方法
PCOSで一般不妊治療(タイミング、人工授精)をされる方へ

排卵障害への治療

一般不妊治療(タイミング、人工授精)で排卵は必ず必要です。
その排卵が障害されることが困るんです。排卵を治療してくれる薬には飲み薬、注射があります。

  • 飲み薬
  • クロミフェン
  • セキソビット
  • レトロゾール/フェマーラ など
  • 注射
  • HMG
  • FSH
  • HCG/LH など
ポイント
それぞれの薬に特徴があります。外来で自分の体に合った薬を選んでもらうこと

成熟障害への治療

PCOSの成熟障害への治療には忍耐が必要になります。 刺激が弱いと→育たない 刺激が強いと→育ちすぎる
ちょうど良い刺激で卵子が育ち成熟するのを待たないといけないからです。

今、ご自身の治療は下記の図のようなサイクルになってはいませんか?

PCOSの方は生理何日目だからと焦らないこと!焦らずに卵巣をゆっくり刺激する事が治療になります。
成熟卵を育て排卵させることができるのであれば、生理何日目に排卵させても妊娠は可能です。
ポイント
PCOSで大切なのは、成熟卵を必ず排卵させることです。生理何日目かにとらわれすぎないようにしましょう!
PCOSで体外受精をされる方へ

排卵障害への治療

HMG注射でゆっくりと卵胞を育てていきます。
体外受精においてはPCOSでの排卵障害が逆に良かったりもします。
当院ではPCOSの状況をしっかりと把握し、PCOSの方に余分な強い排卵抑制(ショート法やロング法)は必要としません。
卵巣刺激中にしっかりとホルモン採血をして卵巣を調節すれば、PCOSの方が排卵して採卵キャンセルになることや治療がリセットになることは当院ではほとんどありません。

成熟障害への治療

HMG注射でゆっくりと卵胞を育てていきます。
PCOSではたくさんある卵子をどれだけ成熟卵として採卵できるかが勝負となります。
PCOSはもともと成熟障害を持つ方が多いことがわかっているので、体外受精では特に卵子の成熟にはこだわるべきです。
卵子全体が未熟の段階で採卵決定をすると、未熟卵子と未熟すぎて卵胞壁からはがれ落ちていない空胞卵胞ばかり穿刺することになり、結局、未熟卵数個と空胞卵胞ばかりでした…(泣)という結果になってしまいます。

PCOSの方はしっかりと卵子の成熟にこだわり採卵すれば、1回の採卵で結果が出る方のほうが多いです。
(当院の治療成績より:ご自身のAMHにおける採卵データをご確認下さい) PCOSはまず採卵にこだわるべきだと私は考えます。
OHSS(卵巣過剰刺激症候群)を予防する

卵巣過剰刺激症候群のことをOHSSと言います。
卵巣刺激をするときに最も注意すべき合併症になり、嘔気、嘔吐、呼吸苦、腹痛、血管内脱水などあらゆる症状が出現します。
PCOSの方で体外受精をする場合はこれを最大限予防する必要があります。

OHSS予防のポイント

1 採卵と移植の周期を分けて治療すること(全胚凍結)

OHSSが最も重症となるのは妊娠中です。
採卵と妊娠を分けて治療を行うからこそ重症OHSSを予防し、良い成熟卵を確保することができます。

2 採卵するときにHCGを使わないこと

OHSSを引き起こす最たる原因のHCGを使わずに採卵することです!
排卵誘発できるのはHCGだけではありません。
Gn-Rhアゴニスト(みなさんがよく聞くのはブセレキュアだと思います)でも十分可能です。
Gn-Rhアゴニストだと成熟率が悪いとか、卵の質がとおっしゃる方もいますが、
卵子の成熟をしっかりと見定め最適な日に採卵決定していればGn-Rhの排卵誘発でもかなり良い採卵成績が出ます。
これら全てを可能にしようとすると、PCOSの方の卵巣刺激は多くの方がアンタゴ二スト法となります。
(ショート・ロング法の場合は排卵誘発にHCGを使わないといけないからです)

ポイント
1.卵子の成熟を一番に考えた卵巣刺激をする(M2率80%以上を目指す)と1回でかなりの卵子数が採卵できます
2.OHSS予防を最大限取ること

卵巣過剰刺激症候群(PCOS)は妊娠環境が整えば、妊娠の可能性は十分にあります。

特に体外受精となれば条件を整えやすく、妊娠できる方は本当に多いです。
当院ではPCOS専門の治療を受けていただくので、妊娠の可能性も十分にあると考えております。
「悪のサイクル」に突入している患者様は、ぜひ一度治療の相談に来てみて下さいね。

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