木下レディースクリニック 治療の流れ
高度生殖医療(ART)
長年培った技術と経験で行う治療法です
「体外受精」と「顕微授精」の2つの治療法があります。卵管の状態が良くない(卵管閉塞、卵管水腫や高度卵管周囲癒着など)、精子の数が少ない、人工授精で妊娠に至らなかったなどの理由で、不妊症の約半数のご夫婦がARTの対象となる可能性があります。
【治療法3】 体外受精
高度生殖医療(ART) 体外受精
  • 体外受精とは、採卵により体内から取り出した卵子と精子を体外で受精させる治療方法です。受精操作翌日には正常に受精していることを確認し、最大で7日間の体外培養を行います。順調に成長した受精卵は凍結保存を行います。その後、子宮内を最適な環境に整えて、最も順調に成長した受精卵を選んで子宮内に移植します。タイミング療法や人工授精では、妊娠に至らなかった方が対象となります。
  • 以下が体外受精の一連の流れになります。
    ① 卵巣機能評価
    ② 調節卵巣刺激 
    ③ 採卵 
    ④ 受精 
    ⑤ 凍結・融解 
    ⑥ 胚移植
    ⑦ 妊娠判定 
詳細

① 卵巣機能評価

ご自身の年齢とAMHで卵巣機能を評価
AMHを測定することで今のご自身の卵巣状態を知っていただき、患者様ひとりひとりに合わせたオーダーメイドの治療プランを作成します。

AMHの詳細に関してはこちら
卵巣機能評価 AMH

② 調節卵巣刺激

患者様に応じた刺激方法を選択し、注射・点鼻薬・飲み薬などで卵子を育てていきます。
調節卵巣刺

③ 採卵

育てた卵子を回収します
採卵とは、調節卵巣刺激によって育てた卵子を採取する手術です。卵巣にある卵胞の中は卵胞液によって満たされており、卵子はその卵胞液の中に存在しています。採卵では膣壁から卵胞に針を穿刺し卵胞液ごと卵子を回収し、採取された卵胞液から卵子の有無を丁寧に確認しながら進めていきます。採卵を評価する場合、卵巣予備能を評価した上で1回の採卵でどれだけの成熟卵を獲得できるかがポイントになります。患者様の年齢・卵巣状態に合わせて複数の方法から選択し実施します。
採卵

④ 受精

卵子と精子を採卵当日に受精させます
受精成績の詳細に関してはこちら

1.体外受精(媒精)
卵子の周りに精子を振りかけて、精子自身の力で受精をさせます。
適応となる場合
  • ・精子の数が十分に存在する
  • ・抗精子抗体(-)
  • ・採卵で十分な卵子が確保できている
体外受精
2.顕微授精(ICSI)
卵子の細胞質内に精子を直接注入して受精させる方法です。この方法は体外受精より高い受精率を得ることが出来ます。ひとりの患者様から採卵した卵子でも、ひとつひとつに個性があるためその卵子に合わせた顕微授精を行います。

顕微受精
3.受精確認
受精操作を行なった翌日に受精確認を行います。受精確認では胚培養士が顕微鏡を使用して、受精卵に2個の前核が見えるかを確認します。2個の前核は1つが父親由来、もう1つは母親由来なので2つ見えていると正常に受精したと判断しています。

受精直後の受精卵
受精直後の受精卵
 
4.培養
受精卵は最大7日間培養を行います
ひとつの細胞だった受精卵は培養3日目には8〜10細胞にまで分割し成長します。
培養5日目以降になると、分割を繰り返した細胞がそれぞれ融合し胚盤胞にまで成長します。

胚盤胞発生率(良好胚のできる割合)の詳細に関してはこちら

受精卵の7日間の培養の様子

⑤ 凍結・融解


1.凍結
採卵周期に得られた受精卵は全て凍結します(全胚凍結)

凍結イラスト
凍結・融解
凍結に使用しているデバイス
凍結写真
凍結保存しているタンク
凍結処理を施した受精卵はcryo tecと呼ばれるデバイスに載せて、液体窒素の中に入れて凍結をします。凍結した受精卵は液体窒素の入った専用タンクで保管しております。

全胚凍結のメリット
  • *OHSS(卵巣過剰刺激症候群)の回避
  • *1度の採卵で多くの受精卵を確保できるので、より良い受精卵を選択し移植することができる
  • *採卵周期に移植しないので、移植周期は着床に最適な子宮環境を作ることができる
2.融解
移植日に合わせて凍結した受精卵を融解します
採卵後受精し2細胞から4細胞、8細胞へと順調に発育し良好胚ができればその中の1個を選び、子宮の中に注入する胚移植を行います。移植日時は採卵時にお知らせします。 移植当日には融解した受精卵の状態を直接ご説明致します。

イメージ1
イメージ2
 

⑥ 胚移植

実際に子宮内へ受精卵を戻します
移植周期では、受精卵が着床できるように内服薬を使って子宮内膜を育てていきます。子宮内膜の様子を見ながら、患者様の年齢や子宮の状態に合わせて最適な移植方法(初期胚移植・胚盤胞移植など)を選択します。
*初期胚移植(培養3日目移植)
凍結してある初期胚を融解後、3日間培養します。培養後、最も成長している受精卵を選択して移植する方法です。
*胚盤胞移植
凍結してある胚盤胞を融解後、移植する方法です。移植当日の午前中に融解し、午後に移植します
胚移植(培養7日間の様子の表イラスト)
 

⑦ 妊娠判定

ホルモンの濃度を測定し妊娠を判定
妊娠判定日ではhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)と呼ばれるホルモン濃度を測定します。 hCGは妊娠周期が進むにつれ分泌量が増えることが知られており、濃度の濃さが判定の重要ポイントとなります。市販の妊娠検査薬も、このhCG濃度を検知して判定をしています。

当院の妊娠率に関してはこちら

妊娠判定

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